美しき島 コルシカ

神様からのおくりもの 〜 Maquis



神様からのおくりもの 〜 Maquis
わずかな海岸線の平野を過ぎると、コルシカ独自の生態系をもつ潅木密生地帯「マキ」(maquis)に入ります。

マキとは木枝が群がり生える高密度な「やぶ」で、要は手付かずの原生林です。

むせ返るような濃い緑の香りの中で、コルシカでしか見られない植物や生き物が昔と変わらない姿で生息しています。

マキはコルシカの文化を語る大切なキーワードのひとつで、小説や音楽や伝説によく登場します。

イノシシも通れない?

神様からのおくりもの 〜 Maquis
場所によっては、人間はおろかイノシシも通れないといわれる密度の高いマキもあり、数え切れない種類の野生植物と野生動物がひしめき合って密生しています。

マキで育つ野生植物から作られるコルシカの名物は、オーガニックなどのコンセプトを超越した超原始的自然食品です。

大昔から変わらない生態系が生み出す本物の味は、時代を超えて人々に喜びを与える神様からのおくりものと言っても過言ではありません。

Myrte 〜 ミルト(銀香梅)

神様からのおくりもの 〜 Maquis
小さな常緑樹で高さは1m〜3m、コルシカのマキの広範囲にわたって育つ野生植物です。
梅のような小さな白い花を咲かせ、濃い青紫色の実をつけます。
コルシカで食後酒として最も評価が高いのはミルトのリキュールで、家庭でもレストランでも食後に手作りのミルトリキュールをゲストに振舞います。
葉と実は芳香が強く消化作用に非常に優れ、消化不良のときに煎じて飲むと効果があるそうです。
収穫時期は1月。洗って干した実をワインの蒸留酒に約2ヶ月漬け、砂糖を加えてフィルターを通しさらに数週間寝かせるとリキュールとして楽しむことができます。

Mure:ミュール(クロイチゴ)

神様からのおくりもの 〜 Maquis
イバラのようなトゲを持つバラ科の野生植物で、枝は横に5mくらいまで伸びます。
標高1500m以下のマキで育ち、夏になると白い小さな花を咲かせ、赤く愛らしいラズベリーのような実をつけます。
熟すると実は黒くなり9月に収穫時期となります。
小さいながらも甘みが強く、摘んでそのまま食べることができます。
地元の人は9月になるとMureを摘んでタルトなどのお菓子、ジャム、リキュールなどを作ります。
洗った実と砂糖を火にかけフィルターに通すと美しいジェリーになり、ジャムとして翌年まで保存できます。

Arbouse:アルブーズ(西洋ヤマモモ)

神様からのおくりもの 〜 Maquis
ミルトに並び、アールブスはマキの広範囲で育つ小さな野性樹です。
高さは約2〜6m。通常の植物とは反対に、標高の高い山側から開花を始め海側は最後に開花するという紅葉のようなサイクルを持つユニークな木です。
実は1年かけてゆっくりと熟し、緑、黄、オレンジ、赤と色を変えていきます。
発色が強く美しい実をプラプラとたくさんつけ、長くコルシカのマキを飾ります。
エレガントな芳香がリキュール、コンポート、ジェリーなどで引き立つ、上品な味のフルーツです

Figue:フィグ(イチジク)

神様からのおくりもの 〜 Maquis
フィグは夏の強い日差しをいっぱい吸収し、9月に収穫時期を迎えます。皮は少し乾燥していますが、完熟した実は水分が非常に多く、生で食べると果汁と強い甘みが口いっぱいに広がり、大変美味なフルーツです。他に、ジャムやリキュールとして楽しむことができます。コルシカでは、一年に一度一瞬だけ生で楽しめる高級フルーツとして重宝されており、フィグを贈るというのは親愛のしるしです。フィグのジャムを臭くて有名なコルシカのチーズと一緒に食べると、双方の味が引き立ちやみつきになる美味しさです。

Chataigne:シャテーニュ(栗)

神様からのおくりもの 〜 Maquis
小麦の栽培が発達しなかったコルシカでは、栗は小麦に変わる主食でした。栗はコルシカ島のシンボルともいえる代表的な名産品です。栗の木はコルシカのあらゆるところで見ることができ、特にカスタニーチャという地方が有名です。焼き栗として実をそのまま食べるだけでなく、干して粉にした栗の粉(Farine de ch穰aigne)はお菓子やパンなどさまざまな伝統料理に使われ、今も昔と変わらない方法で丁寧に生産されています。実は10月に収穫され、大きなオーブンの上でじっくり燻製させらます。手で一粒一粒選別した後、皮をむいて大きな石臼でパウダー状にされます。